失業者の自殺

鬼こそ堪たへめ、人なるを

長き苦しき労働はたらきに

身は青草の細くのみ

一たび肺を病みしより

血を喀はき逐おはる杜鵑ほととぎす

彼方此方かなたこなたとさまよひて

今はすみかもあら悲し

血に啼き狂ふばかりなり。

 

両国橋の欄干らんかんに

流るゝ水をながめしが

夜の鴎の侶ともとなり

哀れや水に沈みけり

越中島の蘆の辺へに

死骸むくろは浮きぬ、そのあした

嗟呼ああ 惨いたはしや聞くさへに

これぞ働く人の果はて。